ひとりごとのように

独身女が趣味で好きなことを書いてます。

わたしの最推し、レジ係の山田さん。

 

よく行くスーパーマーケットがある。

そして、通ってるうちに自分の中で好きなレジスタッフがいることに気づいた。

 

ほとんどが50代の女性パートさん、そして3人くらいは若者。多分、アルバイトの高校生。

 

わたしが好きなパートの山田さん(仮名)は、とにかく速い。レジが速いとやっぱり嬉しいじゃないですか。

 

 

山田さんが商品をスキャンするスピードは凄まじい。手に取った瞬間、いや、その少し前にバーコードの位置がわかっているのだ。だから、その都度バーコードを探すことがない。

また、バーコード打ちしない例外の物、その日の特売の野菜だったり、バラ売り物だったり、値引き商品を手打ちする速さも他のスタッフとは比べものにならない。彼女は時空を超えているのかもしれない。

 

速さだけじゃない。

彼女の魅力はにある。

落ち着いたトーンで、淡々と値段を読み上げていく。リズムが狂うことはない。そして淡々と行くのかと思いきや、最後の「レジ袋はご利用ですか?」の声には若干の色気を感じる。また、この時にお客様の目をしっかりと見る。「いえ、大丈夫です」と答えると少し微笑み「エコポイントつけますね」と言ってくれる。わたしはこの時いつも照れてしまう。猫顔の山田さんの笑顔はとてもエロ…セクシーなのだ。

 

 

何度かエコバッグを忘れてしまったことがある。

その時はこちらがお金を出してる間に、ささっと商品全てを袋に入れてくれた。入れ方もとても綺麗で驚いた。そしてモタモタするわたしを他所に、次のお客様の商品をスキャンするのだ。無駄な動きが全くない。

 

 

そんなわたしの中のベストオブレジレディーの山田さん。

 

今日もわたしは帰り道にスーパーに寄った。

今日はやたらと混んでいた。ポイント10倍デーらしい。

案の定、7箇所ほどあるレジ列全てが大行列。

わたしは山田さんを探した。

ポイント10倍デーは山田さんなくして回るわけないんだ。

いてくれ…いてくれ…たのむ…!

 

 

 

いた!!!

 

よし!

わたしはすかさず並んだ。

これまでの経験上、他のレジ列より多く並んでいたとしても山田さんのレジに並んでおけば間違いないことがわかっていた。

他の列より進みが早くなってくるのを後方から見ながら、やはりな…と勝利を確信した。

このまま山田単勝で間違いなしである。

 

 

そしてレジどピークのおかげもあって応援スタッフもやってきた。

 

必殺、2人体制レジだ。

 

これは圧勝だ。もう見なくてもわかる。しばらく目を瞑り、勝利の瞬間をイメージして1回にやけた。

 

1人がひたすらバーコードを読み取り、山田さんがレジ会計をする。

次がわたしの番だ。

ポイントカードも用意して、お金もすぐ出せるようにして…と山田さんのペースを乱さないように万全の体制にしておいた。

 

スムーズ、きもちええ〜!

山田さん、今日もキレッキレ〜!ふぅ〜!

 

なんて思っていたら、

 

 

山田さん「あれ?いや、え、あ、ちょ、えーと…」

 

テンパっている。様子がおかしい。明らかにリズムが狂っている。

 

 

わたしの前に並んでいた人、その前にレジ終えた人、そして山田さんの3人でレシートと画面を見比べながらなんかやってる。

 

 

山田さん「お…かしいですね。も、申し訳ありません、す、少し、お待ちっいただけますかぁっっっ!あ、ちょチーフゥゥー!チィィフゥゥゥーー!!」

 

 

いつもと違うトーンで5メーターほど先のチーフを呼ぶ山田さん。

チーフが全然こないからプンプンしながらレジを飛び出して行ってしまった山田さん。

 

 

 

取り残された応援スタッフがわたしのお会計からどうにか立て直していた。

 

 

 

テンパった山田さん。

はっきり言って、

めちゃくちゃ可愛かった。

 

 

帰り道。

「気になる人」から「好きな人」に変わる瞬間ってこういう時なのかもな、なんて思った。

 

 

これからもわたしは山田さん一択。