ひとりごとのように

独身女が趣味で好きなことを書いてます。

10年前も今も響く言葉。

昔から日記を書くのが好きだ。

やめては復活するというのを繰り返していて、一番古いものだと2009年の日記が残っていた。

 

ぼけーっと読んでたら、だんだん、これ本当にわたしなのか…?と怖くなった。

 

2009〜2011年あたりの日記はほとんど彼氏とのことだった。

 

どこどこへ行った、一緒に○○を食べた、喧嘩した、仲直りした、好きだ、嫌いだ、ムカつくだの、可愛いだの…

 

読んでてムズムズしてきた。

めちゃくちゃ女子やないか、と思った。

 

あとは体調悪い、みたいな日記も多かった。

 

職場の人に『そらちゃんって万全な時ないよね。いつもどこかやられてる!働きすぎなんだよ!!』って言われた、って書いてあって、ほぇぇ〜と思わず声が出た。

 

わたし今、元気だけが取り柄なんですけど。

「本当いつも元気だよね」って言われるんですけど。

 

過去の自分が自分じゃないみたいで、すごく不思議だった。

 

 

20代の時、エステに通ってる時期があった。

そのことを書いてる日記があって、それは今読んでも面白かった。

面白いというか、今の自分にも響くものがあった。

 

そのエステのお姉さん(歳はたぶん当時40歳くらい)は、心理学を学んでたらしく、話しててとても面白かった。

 

そのエステは施術の前に少しお話をするんだけど、ある日お姉さんはわたしに家族の話をしてきた。

 

当時わたしは家族との仲があまり良くなかった。テレビなんかで家族愛っぽいのを見るのも好きじゃなかった。考えるのも嫌だった。

母子家庭ということにもコンプレックスがあった。

そんな様子が伝わったのか、お姉さんはわたしにこんなことを言った。

 

『あのね、もしそらちゃんが事故にあって顔がグチャグチャになってもね、変わらず愛してくれるのはお母さんなんだよ』

 

「何があっても変わらないのはお母さんだけよ」と。

その言葉を聞いた時、自然と涙が溢れてきた。そして妙に納得したのを今でも覚えてる。

親との仲が良くなかった当時でも、「たしかにそうだよな」と強く思えた。

 

親の愛って、何かをしてもらうから感じられるんじゃなくて、ただ純粋に存在してるんだろうなと思った。

 

 

他にもお姉さんはこんなことも話してくれた。

 

『愛され上手になりなさい』

 

しっかりしてるって思われるのもいいけど
人から愛されるのも大事。ブリッコって悪いイメージがあるけど、人を愛すにはね、愛され上手にならなきゃいけないのよ、と言っていた。

 

愛され上手な人って素直で、優しくて、なんか子供みたいなイメージ。

そっか、素直に愛を受け入れてるから、人にも真っ直ぐ愛を与えられるんだ。

 

わたしは素直に喜んだり、泣いたり、謝ったりすることが苦手だった。

他人に素直になれないから、彼氏や家族や友達に対しても思いやりが欠けていた。

当時、「わたしは我慢強い」ということだけが自分を支えていたと思う。

 

 

そんなわたしを見抜いてか、お姉さんは優しく軽やかに話してくれた。

それはアドバイスや押し付けみたいなものではなく、とても自然な会話の中の言葉だったと思う。

 

 

24歳の時響いた言葉は、36歳の今のわたしにも同じように響く。

 

しばらくして、そのエステは移転となり、通うのをやめてしまったのだけど、肌が綺麗になる以上に心の中のモヤモヤを少しずつ剥がしてくれていた気がする。

 

当時からスキマスイッチを愛してやまなかったわたし。

お姉さんは、わたしが来る日はいつもBGMにスキマスイッチを流してくれてた。

なんという、おもてなし。なかなかないよね、こんなエステ。

 

お姉さん元気してるかな。

あれから10年以上経って、わたしはあの頃よりお母さんのことも、自分のことも好きになったよって話がしたいなぁ。